2024年11月12日火曜日

もくじ



お断り:当ブログの記事には、ヴァンパイアと執事とBLしかありません 苦手な方はそっとブラウザを閉じてお帰りください そして、当ブログのことなどあなたの記憶回路からきれいさっぱりと消去してください(お互いの心の平安のためw)
★印の付いた記事はNSFWな内容です 閲覧の際は背後注意でお願いします



登場人物の紹介

That's Another Story 

おにいさんといっしょ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

ヴラディスラウス・ストラウドの憂鬱 1 2 3 4 5 6 7 8

パスカル・ピースのΨ難(さいなん) 1 2 3 4 5 6

Parsley, sage, rosemary and thyme

早春にして君を離れ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

私は如何にして心配するのを止めて吸血鬼を愛するようになったか 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

続・私は如何にして心配するのを止めて吸血鬼を愛するようになったか 1 2 3 4 5 6 7 番外 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17

ヴラディスラウス・ストラウドの退屈

時には昔の話をⅡ

ヴラディスラウス・ストラウドの困惑 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

ダイスケさんといっしょ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

That's Another Story Ⅱ

シムズストーリーテラーに25の質問

新・ダイスケさんといっしょ 1 2 3

Epilogue

君の名は…

時には昔の話を 1 2 3 4 5

ヘン・フォード・バグレーより愛をこめて 1 2 3


2024年11月7日木曜日

ヘンフォード・オン・バグレーより愛をこめて 2

サラの静養先としてヘンフォード・オン・バグレーを選んだのは、ずっと昔、パスカルからこの村の話を聞いたからだった
パスカルは、年齢(とし)のわりには博識だった
その頃の俺は、まだフォーゴットン・ホロウから一歩も外に出たことがなかった 
だから、パスカルが語る異国の話は実に興味深かった
紺碧の海を悠々と泳ぐ白いイルカ、焼死した緑の貴婦人が住む幽霊屋敷、砂漠のどこかにある忘れられた洞窟…
俺は(退屈しのぎに)次からつぎへと彼に話をせがんだものだった
ひととおり語り終えた後、パスカルは(俺には気づかれないように)小さくため息をついた
彼が語る異国の話は、両親とともに世界中を旅した時に見聞きしたもの
話をするたび、おそらく彼は今は亡き両親を思い出していたのだろう 

しかしそのことに気づくほど俺はおとなではなかった



始祖(…ここは?)
パスカル「こちらにいらしたのですか、始祖様」
パスカル「お体は大丈夫※ですか?」
始祖「まもなく日没だから大丈夫だろう」
※注:日光耐性を持たないヴァンパイアは長時間、屋外にいると日焼け死にをしてしまうのだ
始祖「いざとなったら『神』(=プレイヤー) がチートで全回復してくれるしな」
パスカル「…そうゆうメタ発言はおやめください」

始祖「俺は、ここに何度も来たことがある」
パスカル「え?」
始祖「…夢の中でだけどな」
パスカル「予知夢ですか」
始祖「さあな」
予知夢といえば、この前、雪の中でパスカルを失う夢を見た
だが…
それはけっしてパスカルには話すまい


今日のふたり:始祖様がパスカルの横に座ろうとしたとたん、席を立って腕立て伏せを始めました
「そんなに俺のそばにいたくないわけ?」「はい」
※注:ストーリー上は相思相愛のふたりですが、実際のプレイデータでは険悪の仲です


ヘンフォード・オン・バグレーより愛をこめて 1



スレイヤー邸
始祖「あいかわらず成金趣味のゴテゴテした屋敷だな」
アーロン・スレイヤー「かげ口は聞こえない所でやれ、ヴラド(怒)」
始祖「おや、聞こえてしまいましたか おじ上」
アーロン「(聞こえるように言ったくせに…) おまえのほうから訪ねてくるとは珍しい 何か俺に用か?」
アーロン「転地療養?」
始祖「ええ」
始祖「サラの体調がよろしくないので 医者からも空気がいい所で一年ほど静養したほうがよいと勧められました」
アーロン「おまえも付いていくのか」
始祖「幼いサラひとりで田舎へ行かせるわけにいきませんし」
アーロン「それで、おまえが留守の間、俺に始祖の仕事を代行してくれということか」
始祖「さすがはおじ上、話が早い なあに、書類の山に適当に目を通して承諾のサインをするだけの、呆け老人にもできる簡単な仕事です」
アーロン「俺はまだ呆けとらん」
始祖「♪」
始祖「あいかわらず下手くそですね、ピアノ」
アーロン「うるせえ」

パスカル「お帰りなさいませ、始祖様」
始祖「おじ貴の奴、もう帰ってこなくてもいいとほざきやがった」
パスカル「くすっ」
始祖「なぜそこで笑う?」
パスカル「あなた方、素直な物言いがおできにならない点はそっくりですね」
「もう帰ってこなくてもいい」は
「早く健康になって帰ってこいよ」

―――――という意味
始祖「パスカル 俺はおじ貴が好きじゃないが」


始祖「嫌ってはいないぜ」







サラ「わあ、レモネードスタンドも持ってきてくれたんだ」
パスカル「このコテージはサラ様のお気に召したようですね」
始祖「そんな格好じゃあ、この田舎町では浮きまくるぜ」
パスカル「今、着替えるところです」
始祖「………」
パスカル「……… 『着替えますから部屋から出て行ってください』といちいち申し上げなければいけませんか」
始祖「…ちっ」