2020年11月14日土曜日

ヴラディスラウス・ストラウドの憂鬱 3

エルヴィラ「被験者グループAもBも何ら副作用は認められないし、来週には認可が下りるのはほぼ間違いないと思うわ」
執事「ようやくここまでこぎ着けましたか エルヴィラ様には何とお礼を申し上げてよいやら」
エルヴィラ「うっふ❤ お礼の言葉なんていらないわ 体で返してもらえれば」
執事「……」
エルヴィラ「や~ね、冗談よ マジで赤面されるとこっちが恥ずかしいわ それにあなたにちょっかい出すと飼い主さんに噛み殺されそうだからやめとくわ」
執事「…飼い主?」
始祖「♪~」←注:飼い主
執事「………」
始祖「内緒話は終わりか」
エルヴィラ「ええ」
始祖「おまえら、俺に隠れて何を企んでやがる?」
エルヴィラ「うふふ あの坊やに口止めされているから教えな~い」
始祖「……ああ、そうかい」
エルヴィラ「知りたかったら、直接、坊やに訊けば? まあ、そう簡単に口を割るとは思えないけど」
始祖「………」
エルヴィラ「ヴラド、あなたも他人に嫉妬することがあるのね ふっふっふ」
始祖「………」
エルヴィラ「さて、どっちに嫉妬しているのかしら 坊やに? それともあたしに?」
始祖「知るか」
執事「…っ あの」
執事「今夜は、やけにしつこくないですか?」
始祖「……」
注:念のため申し上げておきます ふたりは睦み合っているのではありません、献血行為(笑)です
始祖「吐け」
執事「え?」
始祖「俺に隠していることを今すぐ洗いざらい吐くか」
始祖「さもなくば、このまま俺に全身の血を飲み干されて死ぬか」
始祖「好きなほうを選べ」
執事「……っ 始祖様は『人間は殺さない』が信条だったはず」
始祖「ふん 時と場合による」
執事に選択の余地があろうはずもない 次回へ続く


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