2021年12月2日木曜日

ヴラディスラウス・ストラウドの困惑 6

始祖「パスカル、何をやっている?」
パスカル「フラワーアレンジメント作りです サラ様がZiggyのお墓にお供えしたいとおっしゃるので」
始祖「花なんかよりアジの干物のほうがあいつも喜ぶんじゃないか」
パスカル「墓前になまものはちょっと…」
始祖「あ、そ」
Ziggyが死んでもう3日になる
Ziggyのエサ入れはまだそのままだ 俺の気持ちを察してパスカルは「片付けましょうか」とは問わない
耳を澄ませば、あいつの鳴き声が聞こえてくるような気がする
*「な~ご♪」
そうそう、こんな甘ったれた声で…
*「にゃ?」
!? いや、そら耳じゃないぞ
サラ「おにいさま、パスカル! Ziggyが帰ってきた!!」
パスカル「幽霊ではないですね 足がちゃんと4本ありますよ」
始祖「小さい頃のZiggyそっくりだ あいつの子供か?」
パスカル「そう考えるのが妥当ですね」
始祖「あいつ、いつのまに仔猫を産んだんだ?」
パスカル「…… 始祖様、Ziggyは雄です」
始祖「あ、そうか」
サラ「ねえ、おにいさま この子、うちで飼ってもいい?」
始祖「ああ」
パスカル「名前はいかがしましょうか?」
始祖「Ziggy」
サラ・パスカル「「は?」」
始祖「Ziggyyの子供ならばZiggy Jr.でいいだろう」
パスカル「始祖様 まさか名前を考えるのがめんどくさい…とか?」
始祖「ぎくっ」
パスカル「『ぎくっ』ってなんですか」
始祖「うっせえな」
サラ「♬」
こののち、始祖様邸の飼い猫(雄)は代々、Ziggyと呼ばれることになる
今日のふたり:
始祖「節子 それ犬やない、仔猫や」
サラ「節子って誰やねん」


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