2021年1月21日木曜日

時には昔の話を 4

スカボローフェアに行ったなら 
パセリとセージ、ローズマリーにタイム♪
長男「誰か歌っている この声は始祖様?」
三男「顔に似合わずいい声ですね」(ほっとけ by 始祖)
※余談ですが、始祖様はテノールのイメージです
お嬢様「この歌は…」
お嬢様「かあさまが子供の頃、枕元で執事さんが歌ってくれたと」
こよなく愛したあの娘(こ)に 伝えておくれ♪
…今でもおまえを愛している、と
お嬢様「子守歌代わりに歌ってくれたのはパスカルだったんだ」
針も糸も使わずに 仕立てておくれ 麻のシャツ♬
枯れた井戸で そのシャツを洗ったら
僕らは 恋人同士に戻れるだろう♪
どれだけの時が過ぎようとも、俺はあの日のことを決して忘れないだろう

執事「…ごふっ」

フォーゴットン・ホロウの陰湿な気候がいつしか彼の体を蝕んでいたことに俺は気づかなかった 
いや、気づいてやれなかった

始祖「パスカル!!」

執事「…剥製は勘弁してくださいね」
始祖「え?」

執事「ほら、ずいぶん昔ですが、私の功労を称えて寝室の壁に飾ってやるとおっしゃったじゃないですか」
始祖「馬鹿、あれは冗談だって言ったろうが」

執事「…そうですね ならば、ちゃんと土に還してください」
そうだった、こいつはこうゆう奴だった 
今まさに死の淵にありながらも、こんな軽口を叩く奴だったのだ

こいつをこのまま死なせたくない  その時はそのことしか頭になかった


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