2020年10月31日土曜日

おにいさんといっしょ 7

執事「どうしてそう思われるのですか?」
サラ「だって、パスカルがおにいさまの話をする時、すっごく楽しそうだし」
サラ「いつでもおにいさまを見守っているみたいな感じだし」
執事(この子、鋭い …侮れんわ)
サラ「亡くなったおかあさまが言っていたの 人の愛の形にはいろいろあるんだって」
執事「あれは見守っているのではありません 見張っているのです、ちょっと目を離すと暴走しかねない始祖様を」
始祖「(どろんっ)…暴走始祖で悪かったな
執事「………」
ヴァンパイア間のいざこざを仲裁するのも、始祖様の大切なお仕事なのです
始祖(……うちはラブホじゃねえって)
執事「パパたちのご用がすむまでもう少し待てるよね」
*「うん」



 登場当初のパスカル:ハセ○ロ似
 の東洋人っぽい風貌だった
 元々執事として雇った爺をCASで
 若返らせただけ

 現在のパスカル:スキンと髪型を
 変えたらほぼ別人レベル
 パーツはいじっていません



2020年10月29日木曜日

おにいさんといっしょ 6

こうして寝顔を見る限りでは、あの頃の「坊ちゃま」とさほど変わりがない
似合いもしない髭を生やし始めた本当の理由を私は知っていますよ
年長のヴァンパイアどもに「年若の始祖」と侮られまいと必死なんですよね
執事「お休みなさいませ」
執事「!? エルヴィラ様、いつからそこに」
エルヴィラ「ふ~ん あいつがあたしの父が持ってくる縁談をことごとく断っていたのは、つまりそうゆうわけだったんだ」
執事「何か誤解なさっていませんか?」
エルヴィラ「あいつが両刀使いだなんて、とっくに知っているわよ」
執事「ですから、始祖様と私はエルヴィラ様がお考えになっているような関係では」
始祖様にとって私はただの「食料庫」 それ以上でもなければそれ以下でもない
パセリとセージ、ローズマリーにタイム♪
こよなく愛したあの娘に 伝えておくれ
…今でもおまえを愛している、と♪
執事「♫」
パスカルは料理スキルMAXなのです うちにもひとり欲しい
サラ「ただいま」
執事「お帰りなさいませ ちょうど血清フルーツ※パイが焼き上がったところです」
※注:ヴァンパイアの大好物であるブラッドフルーツのこと 「ザ・シムズ3」では「血清フルーツ」と呼ばれていた ぶっちゃけプレーヤーの誤記であるが、あえて訂正はしない
エルヴィラ「あ~ら、いい匂いがすると思ったら」
執事「エルヴィラ様もお召し上がりになりますか」
サラ「パスカル、これを食べたら宿題を手伝ってくれる?」
執事「かしこまりました」
エルヴィラ「このレシピを教えてよ、パスカル 彼に作ってもらうから」
執事「ご自分でお焼きになるのではないんですか?」
エルヴィラ「家事全般は彼の受け持ちなの どうせ仕事もないし」
執事(それって、俗に言うヒモじゃないですか)
執事「そういえば、エルヴィラ様はサンマイシューノでお医者様をなさっているとか」
エルヴィラ「そう、血液内科のスレイヤー先生」
エルヴィラ「笑っちゃうわよね ヴァンパイアのこのあたしが吸血病患者の治療にあたってるんだから」
執事「すばらしいブラック・ジョークですね」
冗談ではなく、本当にエルヴィラ・スレイヤーは血液内科専門の医者です
サラ「パスカル、訊いてもいい?」
執事「はい、何でございますか?」
サラ「パスカルっておにいさまの奥さんなの?
執事「お、奥さん…って 私が女に見えますか?」
サラ「ううん スキンを変えたら妙に女っぽくなったってプレイヤーはぼやいているけど」
執事「メタ発言はお控えください」
執事「私はあくまでも執事です(一応タチだし)」
サラ「でも、パスカルはおにいさまのこと好きよね?」
エルヴィラ(ぷふっ こんな子供にまで見抜かれてるじゃん)
執事(笑わないでください)


おにいさんといっしょ 5

Are you going to Scarborough Fair?
Parsley, sage, rosemary and thyme,
Remember me to one who lives there,
For she once was a true love of mine.
執事「スカボローフェアに行ったなら パセリとセージ、ローズマリーにタイム♪」
※注:サイモン&ガーファンクルの「スカボローフェア」が有名ですが、メロディはこっちのイメージです
執事「お休みになられたようですね」
Ziggy「にゃ?」
執事「しー 行きますよ、Ziggy」
始祖「さっきのは子守歌か おまえの歌声が俺の部屋まで聞こえてきた」
執事「お騒がしかったですか 失礼いたしました」
始祖「いや、いい」
始祖「しかし、おまえに保父の素質があるとは思わなかったな」
執事「子供の頃、ずっと妹が欲しかったんです」
始祖「ほお」
執事「ある年『クリスマスプレゼントは何がいい?』と訊かれて即座に『妹!』と答えました」
始祖「そりゃあ、親を困惑させる無邪気なおねだりのベストスリーだな(笑)」
執事「いや その頃はもうコウノトリが赤ちゃんを運んでこないことは知ってましたし、わざと無邪気をよそおっておねだりしました 両親は顔を見合わせて赤面していました」
始祖「…… やなガキだね、おまえ」
執事「どうかされましたか、始祖様」
始祖「………」
執事「いつものように、血を吸うために私を部屋に呼んだのでは?」
始祖「今夜はいらない」
執事「?」
始祖「さっきおまえがサラに歌ってやったあの歌が聞きたい」
執事「はい?」
パセリとセージ、ローズマリーにタイム♫
エルヴィラ「………」
こよなく愛したあの娘(こ)に 伝えておくれ
…今でもおまえを愛している、と♪
執事「始祖様?」
始祖「すーっ」
執事「始祖様、ホントに寝ちゃったんですか」
針も糸も使わずに 仕立てておくれ麻のシャツ
枯れた井戸で そのシャツを洗ったら
僕らは 恋人同士に戻れるだろう♪
執事「私はあなたの抱き枕じゃありませんよ」