早春にして君を離れ 9

始祖「失くしてしまったのなら、また作ればいいじゃないか」
執事「はい?」

始祖「今日からここがおまえの家だ　おまえが帰る場所はここだ　それでいいだろう?」
執事「……」

執事「単純明快ですね」
始祖「単純でけっこう　だいたい人間って奴は物事を複雑に考えすぎる　だから長生きできないんだ」
執事（…その人間の生き血を喰らうヴァンパイア※には言われたくない台詞です）
※注：ヴァンパイアにも一応寿命があるというマイ設定　成人後、ゆうに300年は生きるとされる

始祖「ん?　何か不服か?」
執事「いえ」

始祖「そうと決まったらもう休め」

始祖「何だったら枕元で子守歌を歌ってやろうか」
執事「…それは御免蒙ります」

始祖「くーっ」

始祖「んごーっ」

執事「………　始祖様のいびきがうるさすぎて寝られません」

Ziggy「Zzz」

不思議なことに、その日を境にパスカルは両親の夢を見なくなったのである

今日のふたり：リアルな関係は険悪そのものです

これが通常の執事プレイならば、執事から辞職願いを叩き付けられるレベルです

いったん友好関係をリセットしたのですが、瞬く間にこんなになりました　始祖様のマイナス・オーラは半端ないです

お茶を飲んでうっかり誘惑的な気分になってしまいました　恋愛下手の執事ですからたまりません

哀れ玉砕です　相手を選びましょうね