2020年12月4日金曜日

パスカル・ピースのΨ難(さいなん) 3

始祖「♬~♫」
エルヴィラ「……(うわっ 超不機嫌そう)」
始祖「これはこれはエルヴィラさん、ゆうべはお楽しみでしたね」
エルヴィラ「ぜ~んぜんお楽しみじゃなくってよ あの執事ときたら、このあたしに指一本触れずに爆睡しやがったのよ!!」
エルヴィラ「あいつ、ぜ~ったいイン○よ!!」
始祖「それはそれはw おまえ、いい医者を紹介してやれよ」
エルヴィラ「ええ、そうするわ」
始祖「♪~」
エルヴィラ(曲が変わったわね これはヴラドがご機嫌の時によく弾いている曲)
エルヴィラ(こいつ、わかりやすすぎ~っ・笑)
かくして始祖様のご機嫌も直ったようで何よりです しかし、それから数日間、始祖様から「イ○ポ執事」と揶揄されまくったパスカルでありました
そんなある夜
始祖「クリスマスツリー?」
サラ「うん なんでうちにはツリーがないの?」
始祖「あのなぁ、我々ヴァンパイアがなぜクリスマスを祝う必要があるんだ?」
ヴァンパイアとは、本来、神の恩恵とはほど遠い存在なのである サラは人間の世界で育ったのでそこらへんがよくわかっていない
執事「そうですね 裏庭にモミの木が何本かありましたね」
執事「さっそくツリーをご用意します」
サラ「わ~い♪」
始祖「……… 俺の話は無視かよ」
始祖「あの野郎、本当にモミの木を切りやがったな」
サラ「♪」
執事「まあよろしいんじゃないですか サラ様もあんなに喜んでいらっしゃいますし」
始祖「切った本人が言うな」
執事「懐かしいですね ツリーの飾り付けなんて10年ぶりです」
サラ「そうなんだ」
子供の頃、飾り付けは彼の役目だった
パスカル(幼少時の執事)「今年こそ、サンタさんは僕のお願いを聞いてくれるかな」
パスカル父「お願い?」
パスカル母「ほら… 例の」
ここ数年、パスカルはサンタさんに「プレゼントは妹にしてください」と手紙を書いているのだが、コウノトリはいまだに彼の家にはやって来ないのだ
パスカル父「…う~ん 今年もたぶんコウノトリは来ないんじゃないかな」
パスカル「おとうさん、頑張ってよ」
パスカル父「……」
執事「両親と過ごしたクリスマスは13歳の時が最後でした」
サラ「なんで?」
執事「14の春に、両親は海難事故で他界しましたので それからは親戚中を転々としていて、とてもクリスマスを祝うどころではありませんでした」
サラ「…… ごめん、悪いことを訊いちゃったね」
執事「お気になさらずに まあ、10年後の今はこんな所に生息しているわけでして」
始祖「こんな所で悪かったな」
10年ぶりにツリーの飾り付けをして、少しメランコリックな気分になったパスカルでした
今日のサラ:サラから見た執事と兄 「時には昔の話を 2」で、始祖様が「サラも、兄貴の俺よりもあいつになついていたくらいだ」と発言しているがまさしくその通りである …てか、始祖様は妹にまで嫌われているのか


0 件のコメント: