2020年10月29日木曜日

おにいさんといっしょ 5

Are you going to Scarborough Fair?
Parsley, sage, rosemary and thyme,
Remember me to one who lives there,
For she once was a true love of mine.
執事「スカボローフェアに行ったなら パセリとセージ、ローズマリーにタイム♪」
※注:サイモン&ガーファンクルの「スカボローフェア」が有名ですが、メロディはこっちのイメージです
執事「お休みになられたようですね」
Ziggy「にゃ?」
執事「しー 行きますよ、Ziggy」
始祖「さっきのは子守歌か おまえの歌声が俺の部屋まで聞こえてきた」
執事「お騒がしかったですか 失礼いたしました」
始祖「いや、いい」
始祖「しかし、おまえに保父の素質があるとは思わなかったな」
執事「子供の頃、ずっと妹が欲しかったんです」
始祖「ほお」
執事「ある年『クリスマスプレゼントは何がいい?』と訊かれて即座に『妹!』と答えました」
始祖「そりゃあ、親を困惑させる無邪気なおねだりのベストスリーだな(笑)」
執事「いや その頃はもうコウノトリが赤ちゃんを運んでこないことは知ってましたし、わざと無邪気をよそおっておねだりしました 両親は顔を見合わせて赤面していました」
始祖「…… やなガキだね、おまえ」
執事「どうかされましたか、始祖様」
始祖「………」
執事「いつものように、血を吸うために私を部屋に呼んだのでは?」
始祖「今夜はいらない」
執事「?」
始祖「さっきおまえがサラに歌ってやったあの歌が聞きたい」
執事「はい?」
パセリとセージ、ローズマリーにタイム♫
エルヴィラ「………」
こよなく愛したあの娘(こ)に 伝えておくれ
…今でもおまえを愛している、と♪
執事「始祖様?」
始祖「すーっ」
執事「始祖様、ホントに寝ちゃったんですか」
針も糸も使わずに 仕立てておくれ麻のシャツ
枯れた井戸で そのシャツを洗ったら
僕らは 恋人同士に戻れるだろう♪
執事「私はあなたの抱き枕じゃありませんよ」


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