2021年4月12日月曜日

私は如何にして心配するのを止めて吸血鬼を愛するようになったか 10

ヴァンパイアへの献血(笑)はおよそ2週間ごとに行われている
始祖「不思議だな」
パスカル「…はい?」
始祖「非童貞※になったら味が落ちると思ったが、おまえの血は前と変わらん いや、むしろ旨くなっている」
※注:ヴァンパイアによると、人間の血の味にはランクがあるらしい 最高級の味は童貞または処女の血というのがヴァンパイア界の通説である
パスカル「……(/////)」
始祖「今さら照れるな そこのベッドでさんざんやりまくった仲※じゃないか」
パスカル「(やりまくった…って) 始祖様 あなた、デリカシーって言葉をご存知ですか?」
※参照:That's Another Story #9(R18)
始祖「デリカシー? そんなもん、へその緒と一緒に切り落としてきた」
パスカル「うまいことをおっしゃいますね」
ヴァンパイアにもへその緒があるかどうかはプレイヤーも知りません
パスカル「…す、すみません 今日は、ちょっと、しつこすぎませんか」
パスカル「め、目の前がだんだん薄暗くなっ…」
パスカル「……(どさっ)」
始祖「パスカル!?」
一回に献血(笑)できる量には制限があるのだ しかしついついその許容量を超えてしまう始祖様であった
始祖「……またやっちまった」
当然、こんな風に気絶させるはめになるのである
始祖「ふっ あどけない顔で寝やがって」
注:寝ているのではありません 重度の貧血で気絶しているのです
執事「……」
チベットスナギツネに似た少年に対して芽生えた
この不可思議な感情を何と呼んだらいいのか
――始祖様はまだ知らない


2021年4月11日日曜日

私は如何にして心配するのを止めて吸血鬼を愛するようになったか 9

モリガン・ヘムロック「信じられないっ!!」
モリガン「たったひと月ですよ! 結婚してたったひと月で浮気するなんて」
始祖「幼なじみのことを悪く言いたくはないが」
始祖「あいつは昔から女癖が悪くってな 泣かせた女は片手じゃ数え切れん」
始祖「おまえと結婚すると聞いた時、あのプレイボーイもようやく年貢を納めたのかと」
始祖「まあ、それも俺の希望的観測に過ぎなかったわけだ」
始祖「悪いことは言わん、あいつには見切りを付けて別れることだな」
モリガン「………」
モリガン「お言葉ですが、始祖様」
モリガン「あの人男前だから、女にもてるのもしかたないんじゃないですか?」
始祖「はあっ!?」
モリガン「優しいから、言い寄ってくる女を拒めないんですよ」
始祖「………」
モリガン「そうよ、きっとそうよ だからあの人は悪くない、悪いのは女のほう」
始祖「………」
モリガンののろけが延々と続くと思ってくれたまえ
モリガン「あたし、決めました 絶対、あの人とは別れません!!」
始祖(…とんだ厩火事※だな)
※注:古典落語の一席
ウォーガン「ハニー、ごめんよ 二度と浮気はしない!!」
モリガン「愛しているわ、ウォーガン」
ウォーガン「俺もだよ、ハニー」
始祖「…おまえら、さっさと帰れ
ここはラブホテルじゃありません!!
今日のパスカル:ヘムロック夫妻にベッドを占領されて寝られません