2021年12月1日水曜日

ヴラディスラウス・ストラウドの困惑 5

始祖「ちょっと待て おまえの話を総合するとだな」
始祖「パスカルは俺のことが好き…ってことか」
エルヴィラ「もう、鈍感にもほどがあるわ サラちゃんでさえ見抜けたものを」
エルヴィラ「パスカルがあんな切ない目で、いつもあんたの姿を追っているのがわかんないの」
始祖「あれは、俺が暴走しないよう見張ってるんじゃ」
エルヴィラ「…ダメだ、こりゃ」
始祖「だってさ、俺は昔からあいつの心だけは読めない※んだぜ」
※高位階のヴァンパイアは人間に対して読心術を使えるのだ
何を考えているかわからないからこそ、俺はあいつに興味を持ったのかも知れない
エルヴィラ「今日はこれで帰るわ」
始祖「もう遅いから泊まっていけば」
エルヴィラ「うふん♪ マシューが待ってるの」
始祖「あ、そ」
エルヴィラ「チケットはあとで送るわ」
始祖「………」  ←もはや耳に入っていない
ずっと俺の一方的な片想いだと思っていた
パスカルも俺のことを想ってくれていたなんて
―――わお! そうすると俺たちって両想い!?
*「始祖様」
*「始祖様、始祖様」
パスカル「あなた、目を開けたまま寝るんですか」
始祖「わっ、びっくりした」
パスカル「何度もお呼びしましたよ」
パスカル「起きていらっしゃるのなら、さっさと朝食を済ませてください 片付けられなくて困ります」
始祖「サラは?」
パスカル「もうとっくに登校されました」
サラに対する態度に比べると、俺って扱いがぞんざいじゃねえか
パスカル「始祖様!」
始祖「わかった、わかった 今行くって」
……やっぱり、エルヴィラの勘違いじゃないのか


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