2021年7月27日火曜日

続・私は如何にして心配するのを止めて吸血鬼を愛するようになったか 6

アーロン「どうだね、ヴラド 気に入ったのはどのお嬢さんかな」
始祖「全員です」
アーロン「は!?」
始祖「ですから、俺は4人全員を妻にしたいと」
アーロン「▼×□○÷△■~!!」
アーロン「そ、そんなことできるわけが」
始祖「おや? お祖父様の時代は一夫多妻制※でしたよね また復活させればいいでしょう」
注:ヴァンパイアの近代化を図る先代始祖ヴラディスラウス・ストラウド3世によって一夫一婦制に改められた ちなみに、アーロンは先々代始祖の第二夫人が産んだ子である
始祖「確か、始祖は最大4人まで妻を持てたはず」
始祖「いやあ、4人のうち誰を第一夫人にするか 僕ちゃん、今※から悩んじゃうな~♪」
アーロン(…このくそガキ!!)
※注:始祖様はまだ15歳 結婚は成人後となる
始祖「おじ上、顔色がお悪いですよ どうかされましたか?」
アーロン「い、いや別に その、何だ …今回の話はなかったことに」
エルヴィラ「くっくっく やってくれたわね、ヴラド」
エルヴィラ「いくらうちの親父でも、腹心の部下に向かって『始祖様がおまえの娘をご所望だ 第三夫人にしてやるから差し出せ』とは言えないものね」
始祖「これにこりて、当分、俺のところに縁談を持ってこれまい」
エルヴィラ「でもね、ヴラド 政略結婚はさておき、親父があんたに早く家庭を持ってもらいたいと思っているのは事実よ …それだけはわかってあげて」

アーロン・スレイヤーにとってはただひとりの甥っ子
心底、甥の幸せを祈る気持ちにうそ偽りはない
始祖「…… 勘違いすんなよ、エルヴィラ姐さん 俺はおじ貴のことを好きじゃないが」
始祖「…けっして嫌っているわけじゃない」
エルヴィラ「……ヴラド」


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